遠く置き忘れた光は
世界を汚して消えました
まるで最初から何もなかったかのように
変わり果てた夢は心を砕くものでしかなく
カタコトトタンと
普通を生きる私の中、乾いた音を立てて転がるのです
曇った現実は私のせい
この目が欠陥品だから
何も映してはくれないから
でもそれなら、この耳も飾りだというの?
以前はよく聞いていた歌さえ
最早私の心を揺さぶることはないのです
ただ知っているのは
それでもこの世界は、何を失っても輝き続けるということ
田んぼの畦道に染みる童唄
夕焼けの光を吸い込んで立つ鉄塔
人々の陰影は変わりなく
幾度も幾度も
私の闇を払拭するのです
壊れた目を直し
耳を本物に付け替え
夢のない世界でも生きられるように
精一杯背中を押してくれるのです
だから過去の光を思い出し
チクリと痛む胸であっても
同じくらい愛しく切ない気持ちで
これからを歩いていきましょう
この眼差しが溶けるまで、ずっと。