あれから三日が経った。
「何であなたがここにいるの?」
「しょうがないじゃん。叔母様の命令だよ?」
「う……。」
そう言われてはリアはなにも言えない。
ただ不機嫌そうな顔をするだけだった。
「あの子じゃ、エリーじゃ駄目なの?」
リアのその一言にレクスは眉を寄せる。
「エリーにも同じこと言われた。自分じゃ駄目なのかって。」
「返事は?」
「断った。…君ってこんな性格だっけ?」
「あら、知らなかったの?呆れて私なんかどうでも良くなってくれたかしら?」
嫌味をあえて笑顔で言う。
それを知ってか知らずかレクスはリアに余計近付いてきた。
そして髪を一房掬うと口づける。
「ううん。余計欲しくなった。」
「なっ……!」
気恥ずかしさに手を振り払おうとすると、反対にその手をとられる。
「覚えてる?」
「何を?」
「前世。」
「覚えてる訳ないでしょう?」
「…ふーん……。」
レクスはなにか意味深に相槌を打って手を離した。
座っていたベッドが軋む音がする。
それから執事が来るまで二人の間に会話はなかった。