白い腕はリアを掴むことなく地面に落ちた。
リアと似た金の髪が肩から滑り落ちる。
「―――?」
雫が地面に落ちた。
「どうして?」
力なく座り込んだルカは何かを握り締めて泣いていた。
「すぐに帰るって、そう言ってたのに……!何で!?独りにしないでよ……。」
(そうなんだ……。寂しいんだね?あなたも独りなんだ。)
「…ディル……。」
ざわっと妙な胸騒ぎがした。
「…いから……。」
調子が明らかにさっきと違う。
そう感じたときには場所も変わっていた。
上には薄暗い空が広がっており、目の前には廃教会があった。
辺りは不気味にざわついているし、少し肌寒い。
「…ディル……。」
ルカの顔には淡い笑みが浮かべられている。
ルカは廃教会に入ってしまった。
リアも後に続く。
そこにあったのは一つの髑髏。
(何をする気なの?)
ルカの顔からフッと笑みが消えた。
「許さない……。」
前聞いた声からは想像も出来ないくらいの低い声で言った。
まさに地の底から響くような声……。
かと思えば、今までで一番優しい声音で…
「愛してる……。」
――周りが消えた……。