金の髪が柔らかく舞っている。
あどけない笑顔はたった一人のもの。
彼女が差し出した手を彼は優しく取って……。
彼女はすごく嬉しそうに柔らかく微笑んだ。
体が重いなかゆっくりと瞼を開ける。
何があったのかすぐには思い出せなかった。
(体、重い……。)
ゆっくりと体を傾けると、そこにあったもののおかげで覚醒した。
「きゃあああ!!」
リアの大絶叫に、それ、レクスは目を覚ました。
「あ、起きたんだ。」
体、大丈夫?と、髪を撫でられた。
優しく微笑んで。
「何なんですか、あなたは。」
「大丈夫。あんまりいじってないから。」
「はあ。じゃなくて…何なんですか、あなたは!それにあんまりいじってないって…」
「君の執事さん、心配してたよ?」
「……。」
「ホントに大丈夫?」
にこやかに話すレクス。
警戒心を解かれかけては張り直して、を繰り返すリア。
(話が噛み合わない……!)
警戒しながら落胆する。
落胆に目を体から力を抜くと、案外体が軽くなっていることに気が付いた。
手元を見ると、指輪が嵌まっている以外には何もない。
「指輪……?」
それは飾り気のない簡素な造りになっている。
たしかに昨日までは嵌めてなかったはず。
「ああ、その指輪ね…」
――契約の証だよ?
衝撃の一言に目を見開く。
「…え……?」