何で、桜ノ牧が紫音李将を知ってんだよ!?
「紫音李将じゃないでしょ?」
先生と先輩は俺の顔を見る。俺が答えろって…。
「そうだよ!紫音李将だよ!つーか、何でお前が紫音を知ってんだよ?」
「俺の妹。」
「お前が紫音の兄!?」
「親の再婚やらなんやらかんやらで俺の妹だぞ。」
ある意味ラッキーかもしれない。紫音に会えるかもしれない!
「わ〜直紀君が好きなのは将悟の妹だったんだね〜。」
先輩…。
「んじゃ、お前らもう帰れ。」
先生に無理矢理下校させられる。
駅まで3人一緒。
明秀先輩は下りの電車、俺と桜ノ牧は上りの電車。
電車に乗ってシラケた。
「桜ノ牧、紫音のメアド…」
「やだ。」
メアドくださいって言おうとしたのに。
「紫音の…」
「やだ。」
コイツ、話を聞くきないな。
「しお…」
「やだ。」
「なんならOKなんだよ!?」
「李将は俺の、だからあげない。」
桜ノ牧は親指を下にして俺に向ける。コノヤロウ…。
「そんなに李将李将いってたらそのうち嫌われるよ、多分。」
俺は舌を出した。
「バーカ、李将も俺が大好きだもんね。」
「羨ましいな。」
コイツを利用しないと紫音に会えない…。