温かい…
優しい匂いがする…
あれ…私…
この匂いどこかでかいだことあるー…。
桜 「あの…もう大丈夫です。ありがとうございました」
? 「うん」
私はその人から離れる。気づけば雨はやみ空に虹がかかっていた。
? 「なぁ虹がかかってんぞ」
桜 「本当だ。綺麗ですね」
? 「だな。それとお前もう家に帰るのか?」
桜 「はい」
? 「そっか。また会えるといいな!」
桜 「そうですね」
そして私達はそれぞれの家に帰ることにした。
名前…聞いとけばよかったな。
玄関で靴を脱ぎ、部屋に入ろうとした時私の携帯が鳴った。
着信は…隼人からだった。
桜 「もしもし」
隼人『お前ちゃんと家に帰れたか?』
桜 「うん。なんで?」
隼人『急に雨降ってきたろ? それで桜が傘持ってなかったから』
桜 「まぁ…なんとかなったよ。それと虹見た?」
隼人『あぁ』
桜 「すっごく綺麗だったね」
隼人『そうだな。ヤベそろそろ充電切れる。また明日学校でな』
桜 「うん。バイバイ」
次の日、私は驚いた。
だってこの学校には…
昨日、私を慰めてくれたあの人がこの学校にいたから…。
しかもその人は女子達に囲まれて楽しく話していた。
友美 「桜どうしたの?教室入らないの?」
桜 「ねぇ友美…あの人…誰?」
友美 「輝先輩だよ。あの人めっちゃモテてるらしいよ」
桜 「へぇ…そうなんだ」
すると私は輝先輩と目があった。
輝 「あれ〜君あの時の子じゃん!」
この喋り方…間違いなくあの人だ…
輝 「そう言えば昨日名前言い忘れちゃったよね。俺、輝って言うんだ!ついでにバスケ部。そっちは?」
桜 「五十嵐 桜です」
輝 「名前すっげぇ可愛いな!」
桜 「ありがとうございます…」
早く自分の教室に帰ってぇ〜! 女子達の視線が痛いよ〜!!
…なんか背後から怖いオーラが…
振り向くとそこには…
隼人 「そいつ誰だ桜…」
輝先輩を睨みつける隼人がいたー…。