悪魔の天使 (26)

暁 沙那 2011-08-17投稿
閲覧数[333] 良い投票[0] 悪い投票[0]

昔からそうだった。

誰にも甘えれなくて、寂しかった。

『あと一年待ってて。絶対迎えに行くから。』

彼は優しい声音で、小さな子供にそうするように撫でた。

『覚悟決めといてね?』

不敵な笑みで

『君は俺のもの。だから他の男のとこに行っちゃダメだよ?』



あれからしばらくたった。

「あの人どうしてるのかしら。」

窓から外を見つめ呟く。

「レクス様のことが心配ですか?」

途端弾かれたように後ろを振り返る。

「し…心配!?はっ!そうね、心配かって言われたら心配かもね。でも、それはこれのせいだから!」

早口に言って、首元に掛けてあるネックレスを指差す。

「契約解いてくんないと困るからよ!」
「はあ。」

少し息を切らして力説する。

気恥ずかしくなって思わず立ち上がった。

「どちらへ?」
「ちょっと書庫から本でも借りてくるだけよ!」

少し乱暴にドアを閉めた。



書庫へ着くと本の匂いがした。

たくさんの魔法書が置いてある。

その中の一冊を手に取った。

中でも古そうな一冊に手を触れた。

周りを目だけを動かして確認する。

(誰もいない。)

確認し終えると軽く背表紙を叩いた。

移転の魔法。

一瞬のうちに本が消えた。

それを認めると、何事もなかったかのようにまた本を物色するのだった。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「暁 沙那」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
炭酸でシュワシュワー!!
痩身ジェルが進化!


▲ページトップ