少女は、夜の街に佇むビルの屋上に立っていた…
もう、夜中の12時を過ぎたというのに、街は、昼間のように明るかった。
そんな街を見つめながら、少女は思った…
『こんな街……こんな汚れた街………』
そして少女は、手摺りの向こうに立ち、一歩、前に踏み出そうとした時…
ぐいっ!!
「っ!!?」
どさっ
少女は屋上に叩きつけられた。
「いったぁ…」
少女は手で腰をさすった。
「誰!?」
少女は怒り気味で後ろを向く。
すると、そこには小学5、6年生くらいの男の子がいた。
「何してるの?」
男の子は、少女に問い掛ける。
少女は怒ったように、
「何って…見れば分かるでしょっ!?自殺よっ!自殺しようとしてたのっ!!」
と、答える。
すると、
「何で?」
と、また問い掛けてきた。
少女は、
「別に、あんたには関係無いでしょ!?」
と言いながら、立ち上がった。
「……………」
男の子は考え込み、いきなり立ち上がり、
「ちょっと、来て!」
と少女の腕を掴み、走り出した。
「ちょ…ちょっと!何!?何処行くのっ!?」
「へへっ…着いてからのお楽しみ♪」
男の子は、楽しそうに笑いながら走った。