『生きる』ということ。<2>

黒魔法 天使 2011-08-18投稿
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「はいっ!着いたよ!」

男の子は少女の腕を放した。

「ここってー…ただの丘じゃないっ!」

「あっち見てっ!」

男の子は街の方を指差す。

相変わらず、街は明るかった。


「どう…?キレイでしょ」

「別に……」

少女は素っ気なく答える。


「………………」

男の子はまた考え込んだ。

「じゃあ…ここに寝て!」

「はあ!?なんでよっ!」

「いーから、いーから!」
「もう、何なのよ…!」

少女は渋々、草の上に寝た。


「…わあぁっ…!!」


少女の目には、夜空いっぱいに散らばった星が写っていた。


「キレイでしょ?」

男の子は、少女の隣に寝た。

「……うん………」

少女は星空を見つめながら頷いた。

「ここね…僕の秘密の場所なんだ…」

男の子はニコッと笑った。

男の子はいきなり起き上がり、
「僕、大塚聖。12歳。君は?」
と尋ねた。

「……秋山羽琉…14…」

羽琉はボソッと呟くように言った。

「14歳かぁ…じゃあ、お姉ちゃんだねっ!」

聖はまたニコッと笑う。


「あんた…こんな時間に何してんの…?」

「う〜ん……散歩…?」

(パジャマにニット帽…どう見ても、散歩してるようには見えないんですけど…)


「小学生はさっさと帰って寝な…」

羽琉は立ち上がる。

聖は、羽琉の袖口を掴んだ。

「!?」

「もう少しだけ…ここにいて…。」

「……」

羽琉はその場にまた座った。



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