リアはどうでもいい日々を送っていた。
そんなある日。
「お前に仕事に行ってもらいたい。」
叔母からの突然の仕事。
リアはそれを断らなかった。
いや、断れなかった。
リアは哀しい笑顔を浮かべて、たった一言はい、と返事をした。
仕事。
それはリアの嫌いなこと。
仕事。
それは人間の所有物に成り下がること。
仕事。
辛いこと。
仕事。
(…嫌だ……!)
「旦那様、どうかなさいましたか?」
愛想笑いを浮かべるのは得意だった。
後で叔母や義母、義姉妹に何か言われるのが嫌だから。
相手の好みの女の演技さえしていれば、機嫌を損ねることはないだろう。
「リア、こちらへ。」
リアは肥満体型の中年の太った手を笑顔で取った。
それが相手の気に召したのか、リアの細い身体を抱き寄せる。
リアは少し目を細めたが相手には見えてなかったらしい。
そのまま自分の膝の上へリアを乗せた。
リアは少し笑みを困ったものに変えた。
「何も心配するな。悪いようにはしない。」
そう言うと相手の手が薄いシャツの方へ這ってきた。
流石にリアも笑みを消す。
顔を背け、体重を前へやって膝から降りようと試みる。
だが、相手の方が何倍も有利だった。
リアの身体が一瞬浮遊感に包まれる。
押し倒されたのだ。
リアはきつく目を閉じ、身体を強張らせた。
それでもしばらく何もなかったので、ゆっくりと目を開ける。
「何のつもりですか?変なことをするようでしたら叫びますよ?」
「誰も来やしないがね。」
そう言うと短いスカートが捲られた。
太股が露になる。
「――っ…やあ……!」
太股に太った手が当たる。
(魔法が出せない!?)
相手を何とかどけようとするが、全てが抑え込まれて力が出せない。
どうしようもなくて顔を背け涙を溜める。
(だから嫌だったのに……。)
涙が零れた。
「たす…けて……!」
知らず知らずのうちに助けを求めた。
「人のものに何してんの?」
「え……?」
…光が……眩しい……。