『生きる』ということ。<4>

黒魔法 天使 2011-08-21投稿
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「お〜い!羽琉ちゃん!」

聖は、大きく手を降る。


羽琉はニッコリと笑いながら聖に小走りで近づく。


羽琉と聖が出会ってから、3日が経った。

二人はいつもの丘で、今日あった出来事を話す。

「今日ね、看護師さんが重たそうに荷物を持っていたから手伝ったんだ。そしたら『ありがとう』って言われちゃった!」

聖は嬉しそうに笑う。

「そっか…。よかったね。」

羽琉も笑った。

「うん!羽琉ちゃんは?」

「私は…特に…。」

「学校は…?」

「一応、行ったよ…まあ友達もいないし、教室ではいつも一人だから…。」

「…いじめられてるの?」

聖は恐る恐る聞く。

「別にいじめられているわけじゃないんだけど…。相手にされないの…。」

「そっか…。」

「聖は、病院で友達いないの?」

「ん〜…いたけど皆、退院しちゃった。」

「ふぅん…。」



「じゃ、帰ろっか。」

「そうだね。」

「じゃあ、また明日。」

「うん。」





-次の日-

「…あれ…?まだ聖来てない…。」



(もう午前2時過ぎ…。)

「帰ろ…。」

その日、聖は丘に来なかった。


-その次の日-

「今日も…いない…。」

(変だ…二日も来ないなんて…。明日、聖の入院してる病院に行こう。)




-次の日-

「ここだよね…。」

「ふう…。」

羽琉は大きく深呼吸をした。


「……すみません…。」

小さな声で、看護師さんを呼び止めた。

「はい。何でしょうか?」

看護師さんは、くるっと振り向く。

「あの…大塚聖君のお見舞いに来たんですけど…病室が何処かわかりますか?」

「大塚聖君ですか…?えっと…確かA棟の202号室だと思いますが…。」

「そうですか…ありがとうございました。」

羽琉はペコッと頭を下げると、病室へ急いだ。

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