それから羽琉は毎日、聖の見舞いに行った。
聖の病気の状態や、学校であった出来事、聖の、病院でできた友達の話など、毎日色々な話をした。
「聖は、病気が治ったらどこに行きたい?」
そう言ったのは駿だった。
駿は新しくできた病院友達で、一週間前に骨折して入院してる。
「俺はグラウンドだな…また皆と一緒にサッカーやりたいっ!!」
駿はサッカーが大好きで、サッカーの練習をしてた時に骨折したのだ。
「そうだなぁ…学校かな…?」
「学校っ!?」
「うん。僕ずっと入院してたから、学校の思い出ってあんまりないんだ…。」
「ふ〜ん…。」
「羽琉は…?ってお前は入院してないから、どこでも行けるんだよな…。」
「そんな事ないよ…。私にも行きたい所いっぱいあるよ…?隣町の図書館とか…あ、あと海とか…!」
「へぇ〜…。意外にロマンチストなんだな…。」
駿はニヤリと笑った。
「うるさいなっ!」
羽琉は笑いながら怒った。
「駿く〜ん!そろそろ診察の時間よ〜!」
看護師さんが駿を呼んでいる。
「ほ〜い!じゃなっ!」
「「うん。バイバイ」」
羽琉と聖は駿に手を振った。
また会話が始まる。
「聖っ!!」
いきなり後ろから声がした。
ビックリして羽琉がドアの方を見ると、そこにはサングラスをかけた女の人が息を切らせていた。
「聖…!!あんた、倒れたんだじゃないの!?」
女の人は、聖に近づく。
「あ…あなた、誰ですか!?」
羽琉は女の人の前に立ちはだかった。
「アタシ…?アタシは……」