少女の髪を掴んでいた手下はモーズの前に少女を連れて行くと、手を離しまた一歩下がった。
「何すんのよっ!!」
「黙れマリアの娘・・」
「っ!!母様の名を呼ぶなっ!!」
若い男は椅子から降り、近くに倒れていた男に近付いた。
「あいつは誰だ??」
「あんたモーズを知らないのか!??」
「まあな」
「・・あいつはここら一帯を縄張りとしてる海賊だ」
「海賊か・・。賞金首なんだろ金額は??」
「2000万ベリー」
「そうか、ありがとう」
若い男は立ち上がりモーズの側に近づいた。モーズは後ろから視線を感じ、ゆっくりと振り向いた。
「何だお前・・俺に何かようか」
「若い娘を捕まえてどうするつもりだ??」
「カッカッカッ!!夢の島に行くんだよ」
「!?・・夢の島に??どうやって」
「この娘は伝説の女の娘だっ!!」
モーズの一言で酒場中はざわめき、皆が驚きの声をあげた。
「何故そんな事が分かる」
「これだよ」
モーズは娘の腕を引っ張りテーブルの上に叩き付けた。
「っ!!」
「こいつを見ろ」
娘の手の甲には赤いクロスの刺青が彫られていた。モーズは赤いクロスを見て、嬉しそうに笑った。
「こいつは夢の島のシンボル。なん人も背負うことは許されねぇ」
「それだけでこの女を娘と決めつけるのは、無理があるんじゃないか」
「それだけじゃねぇ」
モーズは娘の襟を掴み、テーブルの上に乗せ、服を掴んだ。
「何をするっ!!やめろっ!!」
娘の叫びも虚しく、モーズが背中の服を捲ると、赤い文字が背中全体に彫られていた。
「この文字は・・??」
「黄金が眠る夢の島の事がつづられている」
「なるほどね」
「専門家に調べさせたんだ、間違いねぇよ!!俺が夢の島に行くんだっ!!カッカッカッ!!」
「そうか・・だが残念だ。お前は夢の島には行けない」
「何っ!?」
モーズは少女の腕を引っ張り若い男から離れ、距離をとった。
「・・お前何者だ!!」
「何者??・・お前と同じ海賊さ」