「まだまだだね・・・」
「!」
煙の中から現れたのは砂の壁だった。李那の放った矢は、砂の壁に刺さっていた。
「キミの矢にはパワーがない」
「何言ってんの・・・」
キリヤは、フッと笑う。
「!」
李那は、ハッとして上を見る。李那の頭上には砂が集まって尖っている物があった。それは、勢いよく李那の方に向かって落ちてくる。
ドカ―――ン!!!
李那は、間一髪のところでそれをかわした。李那は、その砂が落ちた所を見る。すると、そこだけ隕石が落ちたように深い穴が開いているのだ。李那はそれを見てゾッとした。
「これが、パワーだよ」
李那は、キリヤの方を見る。
「キミは、ただ敵に矢を当てようとしているだけ・・・」
すると、キリヤは右手を前に突き出す。
「ちゃんと、殺さないとね」
李那の立っている両側から砂が一気に飛び出してきた。その砂はロープのように李那の体に巻きついた。