あれから、何時間経ったんだろう…
もう太陽は羽琉達の真上ぐらいまで来ている。
いきなり羽琉が起き上がった。
「そろそろ次、行こっか…」
「うん。 次はどこ行くの…?」
「う〜ん…図書館は…?私の行きたい所だけど…。」
「いいよ。」
聖も起き上がった。
図書館まではバスで行った。
「ひっろーい!!」
聖は急いで口を塞ぐ。
思わず叫んでしまうような広さだった。
「本がいっぱい!」
「本の海だね…」
羽琉と聖は本を読みはじめた。
「羽琉ちゃんは本が好きなんだね…。」
「うん。本は面白いよ。その世界に吸い込まれる感じがしない?いつも、勉強してるか本読んでるかだし…。」
「ふ〜ん…。」
「…そろそろ出よっか…」
羽琉は微笑を浮かべながら言う。
「うん…。」
羽琉達は図書館を出た。
「ちょっと疲れたね…ここで休もっか…。」
羽琉と聖は公園のベンチに座った。
サアァッと強い風か吹く。
「聖っ!!!」
聞き覚えのある声だ…。
二人が声のする方を見ると、そこには薫が息を切らせていた。
「聖君っ!!」
続いて看護師さんも登場…なんて呑気な事言っている暇は無い。
羽琉は急いで聖の手を掴むと、走り出した。
「あっ!こら…っ!!」
当然、あっちは追ってくる。
羽琉は追いつかれないよう、スピードを上げた。
すると、速さに追いつけず聖が躓いた。
バランスを失い、二人はそのまま転倒した。
「聖っ!大丈夫!?」
「うん。ごめ…」
「はあ…はあ…全く、あんた達は…」
薫と看護師さんに追いつかれた。
「さあ、病院に戻るわよ。」
「全く、心配させて…」
二人が羽琉達の腕を掴もうとした時、羽琉が立ち上がった。