悪魔の天使 (35)

暁 沙那 2011-09-11投稿
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リアの感じる妙な胸騒ぎの原因。

それはレクスにエリーを任せていいのか、ということかもしれない。

リアはそう思うことにした。

義妹と言っても家族だ。

心配しないはずがない。

でも、それじゃない。

「どうしたの?」

いつもと変わらない笑顔でそう聞かれた。

「ううん。エリーと結婚するんだったら、ここじゃなくてエリーの所に行った方がいいんじゃないの?」

自分でも驚くほど弱い声が出た。

リアはいたたまれなくて目を伏せ、部屋を出た。


「…何やってんの…私……。」

リアは一人になりたくてあの場所に行った。


レクスはリアが出ていったすぐ後に電話をかけた。

『どうしますか?これから。』

電話の相手である男が聞いた。

「ん?ああ、まだ何とも言えないけど、でも、欲しいかな。」
『そうですか。』

レクスは不敵な笑みを浮かべて電話を切った。





ここにきたら見える。



『私は貴方を愛してる。』

優しい笑みで彼女はそう言う。

『もしディルが妹を、クロアをとったとしても、私は貴方を愛し続ける。

クロアでもない他の女でも同じ。

もし貴方が別の世界に行ったとしても、私は貴方を愛し続ける。

貴方が私を嫌いになったとしても、私は貴方を愛し続ける。

愛し続けることができる自信がある。

迷惑だとしても、それでも好きでいたい。』

真剣な眼差しでルかはディルを見ている。

『好き。好きよ。
愛してる。』

本当に愛し合っている者逹の口づけ。





何度見ただろう。

ルかは自分に似ているからか余計に気恥ずかしくなる。
と、同時に羨ましくもなる。

本当に愛してくれる者がいる。

リアはそれが羨ましかった。

(私はきっと彼に…)

膝を折り、体を抱えるようにして丸くなる。



闇に体を預けた。

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