あたしの告白はなかったかのように
またいつも通りのけいさんに戻り
あたしはまるで妹のように扱われた
それが悲しくなかったといえば嘘になるが
嬉しくなかった訳じゃない
そばにいるだけで幸せで
声を聞くだけで舞い上がって
どんどん好きになって行った
そんなある日のシフト中
「はあ」
けいさんが柄にもなくため息をついたのだ
「どうしました?」
あたしは尋ねた
「ぁ、ああなんでもないよ?」
それは明らかに何でもなくなかった
「本当になんかありましたか?裏で休んでてもいいですよ」
「はは!大丈夫だよ!」
なぜかあたしより身長も大分高くて
歳も上なのに急に愛おしくなって
けいさんの手を握っていた
けいさんはあたしの手を握りかえして
「やっぱりお前は…悪魔だな」
あたしは何も言えなかった
「悪魔みたいな、天使だな」
一言句切をつけて
噛み締めるみたいにいった
つづきます