告白の後のはじめてシフトがかぶった日
あたしはわくわくしてて
きっといい報告があるだろうと高をくくっていたのだ
「一緒に帰ろ」
とけいさんが声をかけてきた時も
まだその確信はゆらいでいなかった
でも何かおかしいと思ったのは車にあたしを乗せた時だった
「結果は出ましたか?」
とあたしはあえて明るく尋ねた
「…ごめん」
何が
ごめん
なのだ?
「俺やっぱ無理だった、彼女と別れんの」
こないだ別れたと言っていたのに
「彼女、別れるってゆったらヒストリー起こし出して…」
そんな理由
納得できるはずがなかった
「付き合えない」
あたしの目は乾ききっていた
なのにまたけいさんはあたしの頬に親指を滑らせ
流れていない涙を拭くのだった
「ごめん…」
苦しそうなけいさんの顔が
あたしの胸をしめつけた
だからにっこり笑ってこう言ったのだ
「あたしは大丈夫」
けいさんが
「お前は…天使だな、でも…悪魔かもな」
けいさんの頬にも
流れていない涙の後が見えた気がした
つづきます