あれから、羽琉と聖は約束を破ること無く、2ヶ月が経ち、聖の容態も良くなっていた。
「もう2月だね…」
「そうだね〜」
(2月…)
「!!!」
羽琉はいきなり顔を真っ赤に染める。
「??…どうしたの?」
「べ…別に…!!」
羽琉は急いで顔を背けた。
(2月…と言ったら、バ…バレンタイン…!)
羽琉は庭のベンチに座り、顔を赤らめた。
「あら…?羽琉ちゃん…?どうしたのっ!?」
「薫さん……」
「バレンタインねぇ…」
薫はニヤニヤと羽琉を見る。
「べ…別に、好きとかじゃ…無い…です…。」
羽琉は顔を埋める。
「何を、渡せばいいかなって…」」
「そうね…手作りクッキーとかは? あの子チョコ食べれないから。」
「クッキー…そうします! ありがとうございました!」
「頑張れ〜!!」
薫は、走り去る羽琉に手を振った。
2月14日
「………」
羽琉は聖の病室の入口に身を潜めている。
聖は上機嫌で、鼻歌を歌っている。
「…ひーじり!!」
羽琉は勇気を振り絞って病室に入る。
「羽琉ちゃん!」
「聖…あのね、こ…これ!!」
羽琉は、可愛らしいラッピングの袋を聖に渡す。
「何…?」
「…クッキー…バレンタインだから…!」
かあぁっと羽琉の顔が赤くなる。
「そっか……。」
聖は少し困った顔をした。
「あ…嫌だった…?」
「えっ!?ううん、嫌じゃない!」
聖は首を横に降る。
「…じゃあ、なんで嫌そうな顔したの?」
「…実は………」