『生きる』ということ。<13>

黒魔法 天使 2011-09-19投稿
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聖は紙袋をベッドの上に置いた。

「な…何これ…?」

「あ…あのね…」

聖は紙袋から小さな白い箱を取り出した。

「…これ。」

それを羽琉に差し出す。

「???」

羽琉の頭の上はハテナだらけだ。

「えっと…はい。」

聖は箱を開ける。

「こ…これって…!!」

そこにはピンクダイヤの指輪が光っていた。

「えへへ…」

聖は照れ臭そうに笑った。

「な…なんで…?」

「バレンタインって、アメリカでは、男の子が女の子にプレゼントをあげるってお母さんが言ってて…に、偽物だけどね!」

「…じゃあ、嫌そうな顔したのは…」

「だって、僕が羽琉ちゃんに渡そうと思ってたのに、僕が貰っちゃったらカッコ悪いでしょ?」

聖は笑った。

「はいっ!」

聖は羽琉に箱を渡す。

「あ…ありがと…」

羽琉はまだ信じられないという顔で箱を受け取る。

「よし、じゃあせっかくクッキー作ってくれたから食べよっか!」

「え?私も!?」

「もちろん!一人で食べるより二人で食べた方が美味しいでしょっ?」

「…うんっ!」

それから二人で食べようとしたら、看護師さんに見付かり怒られたけど、なんだかんだ言って看護師さんも食べていた。

皆で食べたクッキーはすごく美味しくて、また皆で食べたい、と羽琉は思った。



もう、そんな事できないなんて、その時は思ってもいなかった……

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