会いたい …
今すぐ会いたい…
なんでもいいから彼に会いたかった…
日本から戻った私は,無性に彼に会いたかった
彼のぬくもりを感じたかった
彼の優しい声を聞きたかった
会いたいのはいつもの事
でも、普段とは比べものにならないくらい彼が恋しかった
震災後の日本では、女性の結婚願望が高まったという
私にはその気持ちが痛い程わかる
「どうしたの?ユキ」
彼のティームメイト、ウィの奥さんのメリッサが心配気に声をかけてくれた。
「なんでも…」
メリッサは私を抱きしめた
「いいのよ、わかってるわ。私も同じ。あなたは日本であれ程の事があったのだもの、当たり前よ」
メリッサは青い瞳で私を見つめた
「まったく、男達はわかってるのかしらね。私達の気持ちを」
「そうね…」
でも、彼等を心から誇りに思っているのは、メリッサも私も他の家族も一緒だった
無事に戻って…
私達は心の中で、常に祈っている
そんな折り、私達に衝撃が走る報せが、それから間もなく届いた