『生きる』ということ。<14>

黒魔法 天使 2011-09-24投稿
閲覧数[448] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「じゃあ私、そろそろ帰ろっかな。」

羽琉が立ち上がろうとした時、聖が腕を掴んだ。

「…何?」

「…あの…えっと…ま、また明日…ね…」

「…?うん、また明日!」
羽琉は一瞬、聖に疑問を抱いたが、そのまま手を振って帰った。

「………」

聖が泣いているのも、気付かないで…。



   ‐次の日‐

「聖っ!来たよ〜!」
羽琉は元気良く病室に入る。

「……え?」

しかし、そこには聖の姿は無かった。

「聖…?」

(病室間違えた…わけないよね…)

そこにはしっかりと『202』と書いてある。


「あれ…羽琉じゃねーか!」

廊下に駿が立っている。

「しゅ…駿!!聖は!?」

羽琉は駿の肩を掴み、ガクガクと揺らした。

「ちょ…落ち着けって!とりあえず手を離せ!」

「あ…ごめ…」

羽琉は肩から手を外した。


「お前…本当に何も知らないのか…?」

「…うん…」

「…C棟の105号室に行けばわかる…。」

「…わかった。ありがとう!」

羽琉は急いでC棟へ向かった。



(ここかな…?)

  ‐コンコン‐

ドアをノックした。

  ‐ガラ…‐

ゆっくりドアを開ける。

そこにはベッドに横たわり、いろんな管に繋がれた聖と椅子に座っている薫がいた。


「羽琉ちゃん…」

薫が、か細い声で言う。

「これは一体…!?」

「昨日の夜、聖の病状が悪くなって…。
…もう、1ヶ月も生きられないって…」

「…う…そ…」

羽琉はその場に、崩れるように座り込んだ。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「黒魔法 天使」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ