それから女は数ヶ月、死んだ我が子の為に乳を搾り続けた。
「何か、可笑しいわね。」
そういいながらも、女は楽しそうであった。
もう、いいだろう。
「満足したようだ。」
あの、
「ありがとう。なんだか子供を育てたんだって気持ちになれた気がするわ。」
それに、
「いい父親がわりのベビーシッターさんを雇った気にもなれたしね。」
・・・。
何?
・・いや、
「何でもない。」
男は、手にしていた哺乳瓶を消して、赤ん坊を抱き上げた。
とたんに女の顔が曇る。
すぐに、
「連れて行くの?」
ああ、
「出来るだけ早い方がいいんだ。」
「そうなの・・。ねぇ、」
だめだ
「それはできない。」
男はそう言うと女に背を向けて歩き出した。
が、
数歩すすんで、
はぁ、
「・・・困ったなぁ、」
と肩を落とした。