次の日学校に来た彼女は少し様子が可笑しかった。
僕を避けていた。
放課後の掃除、ななが帰ろうとしたその腕を掴んだ。
教室は二人きり。
「何で、俺を避けてんだ?」
「・・・。」
掴んだ服の裾から新しい傷痕が見えた。
「先生・・・昨日電話したでしょ・・・?」
「あ。」
「もう、先生とあんまり関わっちゃダメって・・・。」
縋るような目つきで僕を見上げる。
「警察に・・・。」
「やだっ。絶対言わないで。絶対・・・。」
彼女はそう言いながら目には不安の色を浮かべていた。
「一人になりたくない――・・・。」
いつもの笑顔が消えてしまっていた。
「さよなら、先生。」
教室を出て行こうとした、
「待て!!」
衝動。
抑えきれない。
もう、僕を誰も抑えれない。
神様、これ以上は無理です。
耐えられない。
「帰るなっ!」
気付いたら抱締めていた。
ななは抵抗することなく僕の腕の中で静かに息を潜めた。
「帰るな、好きだ。好きだ。」
さっきより強く抱締める。
「一人になんてならない。俺がいる。俺がいたい。」
「ダメ・・・迷惑かけるもん。」
「かけろよ。かけてくれよ。俺だけを頼ってよ?」
「先生、変なの。変なジョーダン・・・。」
続きの言葉も聞かずに僕は強く彼女にキスをした。
「冗談でこんなことするわけねぇだろ?気づけ、バカ。バカ!」
「先生ー・・・痛いよぉ・・・。」
強くきつく、抱締める。
手放したくない。
絶対に、誰に何と言われても構わない。
好きです。
好きです。
僕は彼女が大好きです。