『生きる』ということ。<15>

黒魔法 天使 2011-09-30投稿
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あれから、三日が経っていた。

羽琉は行き先もなく、街を歩いていた。

『…もう、1ヶ月も生きられないって…』

羽琉の頭の中でその言葉が繰り返される。

(聖は…あと、1ヶ月も生きられない…)


   ドンッ!

羽琉は人にぶつかって、倒れた。

しかし、すぐに立ち上がるとまたフラフラと歩きはじめた。



気がつくと、そこはあの丘だった。

あの時のように草の上に寝転がり空を見上げる。

星は、あの時の星よりも輝いてはいなかった。


「…っ…っ!」

その星もだんだん滲んでいく…。

「…っ…っ……っ…!」

羽琉は息を殺して泣いた。



翌朝、羽琉は久しぶりに聖のお見舞いに行った。

ベッドの上にはあの時と同じように聖が寝ている。

薫はいない…。

羽琉はベッドに近づき聖に問い掛ける。

「ねぇ、聖…私どうしたらいいかなぁ…?」

そして、聖の手をギュッと握る。


   -ガラッ-

その時、急にドアが開いた。

「っ!?」

「羽琉ちゃん…!?」

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