「ええ、見たことあります?生で」
「ないです。もっぱらテレビで見るくらいかな…」
「興味あります?」
「うーん…見てみたいと思いますよ。ただ、私的には、テレビで見ることが、当たり前だから、ピンときてないとゆうか…えり子は?」
「私もかな…機会があればとは思いますけど」
割と消極的な感じの2人に、哲次が言った。
「何か、発見があると思うよ。何かね…好きな芸人さんとかいないの?」
「特には…でも、芸人さんは好きですよ。いらっしゃるんですか?」
「俺もそうかな。剛もそうだよな?」
「ああ。でも義は思い入れあるもんな。○○○○○にはな。
昔からな」
「ああ、今も全然変わってないし。その○○○○○の番組に出てた二組が、この前見に行ったライブに出演予定だったのに、見れなくて残念だったなあ…」
「ああ、『スーパーボーイズ』と『グッドボーイ』だろ?」
「うん。俺は『スーパーボーイズ』の神様と願いを叶えて欲しい男のコントと、
『グッドボーイ』の
バスケットコント好きだったなあ。補欠の男のなぜか笑えるコント好きでさ…彼らの、何か登場人物達が笑えるけど、もの悲しい感じが好きだったなあ…。○○○○○が昔やってたコントと重なるし、共感出来てね…」
義則の言葉に由美は頷いた。
「わかります!彼らのコントって、何か、心に残るっていうか、『私にもあるかも』っ感じがありましたもんね」
「そう!残念なんだよなあ〜。今でこそ、二組ともボケの2人がソロで活躍してるけど、なんか2人とも、大人しくなってしまったっていうか…自分を押さえてしまってるっていうか…あっ!ごめんなさい。つい熱く語ってしまって」
由美も、えり子も首を横に振った。
「全然ですよ〜!義則さんが美和を見て、何か感じたように、同じように思えたんですよね?」
「そうだね。だからってわけじゃないけど、彼らとダブるコンビが見つけられたらって思いもあるんだけどね…。あの…良かったらなんで、すみません。俺らの趣味を話してしまって…」
「そんなことないです!是非行きます。ね?えり子」
「うん!」
えり子は、嬉しかった。
由美が、明るさを取り戻したことに。
そして、偶然とはいえ、りかと由子が、義則達の話しを聞いて、心を動かされたことを、義則達は、知る由もなかった。