夏の蛍・4

柊 翔 2011-10-03投稿
閲覧数[923] 良い投票[0] 悪い投票[0]

(…やめときなよ…)

どこからともなく聞こえる声。

(…あの人に恩返しを…)
(…人間なんてその時だけさ。優しくされたからって恩返しまで!)

姿は見えないが、辺りでかすかな光がいくつも光っていた。

(天帝様!)

(お前も知ってるだろう。人間の本性を…。野蛮で狂暴で、平気で自然を破壊し、生き物を殺す。挙げ句に人間同士で争いをする…。そんな人間でも、優しいと言って恩返しをするのか…?)

(…すべての人間が悪いのでしょうか?私は、あの少年を信じたいんです。あの時、私を助けてくれ、優しい言葉をかけてくれた少年を…)

(………)

(…天帝様!)

(やめておけ…)

(…せめて、何かの形でお礼を…!)

(…明日の朝、朝陽に当たる時願うが良い…。人間になりたいと…)

(…天帝様!)

辺りが騒がしくなる。

(…ただし!)

強い天帝の言葉に、騒がしかった辺りが、水を打ったように静まりかえった。
(天界に逆らって得た事、代償は大きいぞ…)

(…代償…)

(…お前の命だ…)

(命!?)

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「柊 翔」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
男子が夢中になる
ウルウル唇で誘惑…♪


▲ページトップ