「やぁ、呼んだのは君かな?」
そこは病院の屋上だった。暖かな日差しの割には風が強く、長い時間いると肌寒い。
おじさん
「誰?」
と言われても、
「呼んだのは、君と、もうひとり女の子・・、ここにいるはずなんだが。」
と、頭をかいた。
おじさん、
「ひょっとして、死神?」
男は口と目をいっぱいに開いた。
お、おいおい。
「人聞き悪い事言うなよ。俺は人の命を取ったりは出来んのだぞ。」
「最初は皆そう言うよ。」
う、
「・・・。」
なんだ
「やっぱり死神なんじゃん。」
「違うって。」
まぁ、
「いい、好きなように思ってくれ。それより、行くか?」
え?
「何処へ?」
男はゆっくり空を指した。
上?
「天国?」
まさか、
「神様の所へ行くのさ。」
「やっぱり天国じゃんか。」
いや、
「神様は、天国にはいないよ。それに、お前は天国には行けんよ。‘自殺’したんだから、神様の所へ行ってお説教さ。」
・・・
なんだ?
「不満は神様に言ってくれ。」
・・いいよ、
「行こう。」
お、
「何だ、随分物分かりがいいな。まぁ十四にもなると多少の事は分かってくるか。」
さぁ
と男は車椅子を押し始めたがすぐに動きを止めた。