神々の前線15

宇宙P 2011-10-04投稿
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「その先か・・」イリス神は重々しく口を開く。

「君達は、あの人類というやつらを、宇宙に出させられると思うか?」

他の神々は口を開かなかった。

イリス神は続ける。
「かつて、人類の中に、私の言葉を預ったヤソという者が、私に具申したのだ。
神の奇跡を人類に示し、人類を次なる次元へ導いてほしい、と。

すなわち、我々と同じ宇宙の、人類でいう神の一員として列席に加わりたいというのだ。

私は答えた。
その段階に人類は達したと、お前は思うのか、と。

ヤソは答えた。

今はまだ・・・。
しかし、人類には情愛や慈しみ、敬いとか献身という神に近づける素養を持っています。
いずれ、その段階に達したならば・・・と。

私は答えたよ。
ヤソの教えに、人類がどのような道をたどるのか、お前自信で試してみよと。
ヤソは、目を輝かせて、人類を導く試みを始めたのだが・・・」

「人類は、やはり欲望に根差した感性を発露し、ヤソをはりつけにしたのだ。

ヤソは裏切りを憎まず、献身を示すことで、人類に気付きをもたらそうとし、黙って刑死した。

だが、彼は泣いていたよ、私に何ごとかを詫びながら。」


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