二人の天使

和美 2011-10-04投稿
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「出来たよ〜。」
スカイトが言った。

皆、気が抜けた。

「やっぱ、ナナちゃんがつくったオーブンは凄いわ。」
スカイトはクッキーとパイを持ってテーブルの真ん中に置いた。

「天界のオーブンは、普通のでも早いけど、私のつくったオーブンは一分もあれば、焼けるわ。」
得意げにナナは言った。

ナナは道具などをつくるのが得意な天使なのだ。
全ての天使の頂点に立つ大天使も認めるほど、腕はたしかだ。
「品質は良くてもデザインは…。ププッ。」サンが、小さい声で言った。

ナナが、キレた。
「何よ!まだ、自分の力の事も分からない人が言う事?」
サンが、キレた。

「フンッ。」
声が揃った。

他の女の子達は、少しビクビクしてる。
鈍感なスカイトもこれは、分かったようだ。
「まーまー二人とも。ところで、ナナちゃんが、食べたいって言ってたケーキも焼いたんだけど、持って帰る?」

「うん。後、サンの顔もう見たくないから帰るわ。また、今度お茶でもしましょ。」

ナナはそう言うと帰ってしまった。
取り残された女の子達はパイと紅茶を食べてから、帰った。

サンは、まだブツブツ言っている。

「なんで、サンはそう人が嫌がる事言うのよ。はぁ〜。」
スカイトは少し呆れている。
「…。」
サンは黙っている。

「明日、謝りなよ。」
「嫌だ。私は思った事を言っただけだよ。何が悪いのよ。スカイトもスカイトよ!なんで、アイツの…。」

サンの目が少し潤んでいる。もう少しで泣きそうだ。
すると、スカイトはサンを抱き締めて、こう言った。
「サンはナナちゃんの事羨ましかったんだよね。自分には無い力があって。でも、私はサンが力が何か分からなくてもいいと思ってる。」

「なっなんで?」
サンは、驚いている。
「だって、サンはサンでしょ?力なんて無くても、私は貴方の素敵な所、沢山 知ってる。」

サンの目から涙がこぼれた。
「何があっても、私はサンを信じる。」

「うん…。」

その時、サンは心に誓った。

(何があってもスカイトだけは失わないと…。)

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