「出来たよ〜。」
スカイトが言った。
皆、気が抜けた。
「やっぱ、ナナちゃんがつくったオーブンは凄いわ。」
スカイトはクッキーとパイを持ってテーブルの真ん中に置いた。
「天界のオーブンは、普通のでも早いけど、私のつくったオーブンは一分もあれば、焼けるわ。」
得意げにナナは言った。
ナナは道具などをつくるのが得意な天使なのだ。
全ての天使の頂点に立つ大天使も認めるほど、腕はたしかだ。
「品質は良くてもデザインは…。ププッ。」サンが、小さい声で言った。
ナナが、キレた。
「何よ!まだ、自分の力の事も分からない人が言う事?」
サンが、キレた。
「フンッ。」
声が揃った。
他の女の子達は、少しビクビクしてる。
鈍感なスカイトもこれは、分かったようだ。
「まーまー二人とも。ところで、ナナちゃんが、食べたいって言ってたケーキも焼いたんだけど、持って帰る?」
「うん。後、サンの顔もう見たくないから帰るわ。また、今度お茶でもしましょ。」
ナナはそう言うと帰ってしまった。
取り残された女の子達はパイと紅茶を食べてから、帰った。
サンは、まだブツブツ言っている。
「なんで、サンはそう人が嫌がる事言うのよ。はぁ〜。」
スカイトは少し呆れている。
「…。」
サンは黙っている。
「明日、謝りなよ。」
「嫌だ。私は思った事を言っただけだよ。何が悪いのよ。スカイトもスカイトよ!なんで、アイツの…。」
サンの目が少し潤んでいる。もう少しで泣きそうだ。
すると、スカイトはサンを抱き締めて、こう言った。
「サンはナナちゃんの事羨ましかったんだよね。自分には無い力があって。でも、私はサンが力が何か分からなくてもいいと思ってる。」
「なっなんで?」
サンは、驚いている。
「だって、サンはサンでしょ?力なんて無くても、私は貴方の素敵な所、沢山 知ってる。」
サンの目から涙がこぼれた。
「何があっても、私はサンを信じる。」
「うん…。」
その時、サンは心に誓った。
(何があってもスカイトだけは失わないと…。)