「その後、ヤソの教えを利用し、ホーリーブック(聖本)なるものが、あらゆる者の手で著され、それぞれの時代に、然るべく利用されて今に至っているが・・・。 中でも最終審判などとうたい、世界を混沌に陥れ、人類統治の仕上げなどと・・・文字通り神をも恐れぬ仕業、おそれいるわい」 イリス神はうめいた。
他の神が尋ねた。
「エイドの最終審判とやらをやらせるのか?」
イリス神は答えた。
「結果は、あくまで彼らに起因する。
審判があるなら、それは彼らが何らかの原因を作っていたことになる。
例えば・・・わしは、かつてノストラフェイスという預言者に、啓示を与えた。
その後世のある時期に空から絶望の大王がふる・・・と。
宙(そら)にその使命を終えた大王は力尽き、汚れた空気をまとい、やがて支配者の砦に飛び込むであろう。
支配者の砦は、これを敵の攻撃と思い違いをし、やがて無為なる報復の矢を、世界に射かける・・・と。
人類が我々のフィールド(宇宙)に飛び出したときから、我々が危惧していた過ちを、やはり彼らは犯したよ。
宇宙に核を打ち上げるという、自分自身にやがて、降りかかるであろう災いの種を自ら・・ね。」