「しかし、そうして核ミサイル搭載の衛星が落下して、北JU本土が壊滅すれば、これが敵の攻撃だとして、戦争の火ブタが切れるというのだから、いや、なんともワクワクするような奴らじゃ。
諸君らには残念だが、この戦いはワシの種族の勝ちじゃ。
最終的に唯一残り、これだけの業を負ったJU人とエイド人どもを、阿鼻叫喚の地獄に突き落とし、 どのように料理してやるか、もう考えただけで、ヨダレがでるわ!
JUとエイド人は、救いのない暗黒の牢獄に、わしの慰みものとして、魂は永遠にさ迷うのじゃ!
宇宙の法に則った妥当な量刑だわさ!」
他の神々は、押し黙って考えていた。
イリス以外のどの種族にせよ、このイリスに勝利していたなら、地球は混乱しながらでも、まだ存続だけはし得たであろうと。
だが、人類が、これまでの本能を超えた、次なる形態へ進化しえなければ、結局は欲望という急所を押さえるイリスからの、脱却は不可能であり、 ゆくゆくは、やはりイリスの完全勝利に至るであろう、とも。
かくして、神々の中間審議評価は、イリスの完全勝利に大勢は傾き、地球の暗い未来を予測する神々の評定だけが、議事録に残されたのである。 完