生戦 弐

佐伯 臨 2011-10-07投稿
閲覧数[332] 良い投票[0] 悪い投票[0]

マコトが死んだ。正確には自殺した。遺書も残してあり、謝罪と呪詛の両方を兼ね備えていたらしい。遺書を読む前に檻の中に入れられた。

自殺した者を無死者と呼び、無死者の家族や親戚を志願者と呼ぶ、と法律で決まった。志願者は特殊な刑務所に集められる。そして人権がなくなる。

マコトが死んでから半日弱で警察が家に来た。人数が異常だった。それと志願者を乗せる輸送車みたいのが来た。本物をよく知らないが、人が乗るようなものではないことはわかった。椅子がなく家畜を運ぶような車だった。なんとなく血の臭いがした。気持ち悪い。

車を降りて検査された。服と持ち物は全部とられた。たぶん返ってこない。何も持っていないことを確認し、服をわたされた。ほんとにあんだな、こういうの。

部屋…というより小屋がたくさんあった。ここから家族ばらばらになり、一人檻の中に入れられた。
みんなも一人かな?ほかの志願者と一緒かな?もう会えない?





帰りたい…



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「佐伯 臨」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ