今からあなたに手紙をかきます。
あなたと離れてからもうすぐ2年がたつわね。
こっちの生活は馴れたけどあなたがいないのはうめようがありません。
さみしくて死んでしまいそう…なんてね。
そういえばあなたが私を見送ったときのことは覚えてる?
手紙をかくから。電話もするよ。って言ったのよ。
あなたはこの2年間のうちに手紙を2通しかよこさなかったわね。
毎日ポストをみるのが癖になってしまったわ。
電話もはじめの方だけで半年も続かなかった。
私、電話の前で寝てたのよ。
私は今、旅の準備をしています。
どこかに出張するのかですって?
ちがうわ。
残念ながら温泉旅行でもありません。
けどそれもなかなか素敵ね。
きっとこの手紙がとどく頃にはその答えもわかると思うわ。
あなたの苦笑いを思いうかべながら。
「…ほんと、苦笑いしかでてこないよ。」
ポストを開けて手紙を読んでから玄関をあけたら手紙の主が待ち構えていた。
「ちゃんと書いたはずよ。」
誇らしげにふふんっと笑いをうかべた。
「手紙の内容はほとんど悪口だけどね。」
僕がため息をつくと彼女はムッとした顔になった。
「そうさせたのはあなたよ。」
ぷいっとそっぽむいてしまう。
「それとも帰ってこないほうがよかったかしら?」
僕は微笑んで彼女を見つめた。
「そんなこと言ってないさ。僕もさみしかったよ。…おかえり。」
彼女も微笑み、僕の腕のなかに飛び込んできた。
「ただいま!」
これが僕らの愛のかたち。