人は誰かを愛するとき
言葉で愛を確かめあう
だけど言葉にしなくても
伝わることだって
あるかもしれないよね
+*+あいしてる+*+
"愛してる"
その一言だけ私は
言えなかった
"好き"
そんな言葉は
いくらでも言えた
"好き"
本当は
そんな程度じゃない
愛しくて苦しくなる
切なくなる
心から"愛していた"
貴方はそんな言葉を
簡単に口にしてくれた
可愛い
綺麗
どんな言葉よりも
貴方のその言葉が
嬉しかった
その言葉だけで
心が満たされた
……でも
貴方はこの世を去った
私に
"愛しています"
そう呟いて
私は貴方の手を握り
叫んだ
"私も愛してる"
だけど私が言った頃には
もう息はしていなくて
声にならないほど
泣いた
目が腫れあがるほど
泣いた
貴方が還ってくること何てないのに
私は
自分を憎んだ
言葉に現せなかった
自分が憎かった
貴方は
還ってくるはずない
還ってくるはずないのに
私の前に還って来た
こんな醜い私を見たら
貴方は私を
嫌いになってしまうだろうか
嫌われるのが恐かった
例え貴方がこの世に
いなくとも
貴方に嫌われるのが恐くて堪らなかった
そんな私を余所に
貴方は
あの頃と変わらない
無邪気な笑顔で
"ありがとう…ずっと貴女を…"
最後が聞き取りにくく
声が擦れてた
"僕もずっと…ずっと…"
口の動きで分かった
貴方のいつもの口癖
"あいしています"
届いていた
私の言葉
貴方は知っていた
ただ
ありがとう と
愛している
それだけを言いに
私のもとへ
還ってきてくれた
今度は嬉しくて
涙が零れ落ちた
ごめんね…
私ばかだったよ
貴方がいなくたって
関係ない
私はいつだって
貴方を愛してる
うそ偽りない
貴方への真実の愛だから
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