悪魔の天使(46)

暁 沙那 2011-10-09投稿
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「で、私はどうすればいいの?」

ベッドの上に手をついて座り、上目でレクスに問うと笑みが返ってきた。

「楽しませてくれたらいいんだけど。何してくれるの?」

リアはしばらく俯き、考えていたが、いきなりレクスを見ると飛び付いた。
満面の笑みで。

「ねえ、私たち結婚するんだよね?じゃあ、宣戦布告しましょ?」
「宣戦布告?」

リアは更にニコッと笑って頷いた。



小広間に叔母、クロア、レイなどリアとレクスの関係者が集まっていた。

「結構集まって頂けましたね。」

ステージの上から薄らと微笑んだリアが言った。

「どうするつもりだい?リア。」
「どうするつもりって、まずはお訊きしたいことを訊くんですよ?」
「訊きたいこと?」

リアは頷くと笑みを消した。

「私には約二年前からの記憶がありませんね?何故ですか?」
「何故それを……!」
「彼と帰ってくるとき少しばかり思い出したのです。」

それは儚い記憶だった。

レクスは謝っていた。
しかしリアは記憶を消すのが、国からの命令だというのを知っていたから。

優しく頷いた。

「何故なのです?」

真っ直ぐに叔母を見ると叔母は一つ息を吐きリアを見た。

「お前と彼を別れさせ、彼をクロアと婚姻させるためだ。お前ではこの家の為にはならない。」

リアは少し唇を噛んだがステージの下からは見えなかっただろう。

「お前があの家に連れていたれたのも必要なくなったからだ。もうお前はこの家には要らないんだよ。」

広間にしばらくの沈黙が流れた。

それを壊したのは一つの笑い声。
リアだった。

「フフ…アハハハ…アッハハハハハハ!!」

ステージの上でいつもとは到底違う様子で笑う。

「アハハハ…ハハッ……ハーアッ……。」

顔を押さえていた手から少し覗いた顔は、殺気に満ちていた。

「ああ、そう。別にどうでもいいわ。」

手を下ろしそうスパッと言い切るとステージ裏の方をチラッと見た。

するとレクスがゆっくりと歩いてきた。

「リア。」
「…レク……。」

レクスの優しい声色に、さっきのが嘘のように表情を変え、目元を潤ませる。

「ほらね、やっぱり私は要らないんだって。だからもういいよ。」

唇を噛み、俯くと、レクスにそっと抱き締められた。

「無理、しなくていいから。」

リアは顔を上げると、足を伸ばして……。



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