初恋

えびてん 2011-10-11投稿
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すてきなひと。

初めてみたときから頭のすみに必ずいて離れない。

気づけば目が彼をおっている。

見ているだけで癒される、そんな存在。

そんな彼は私のことを知っているだろうか?

知らないなら、悲しい。


…そうだ、手紙を書こう。

放課後の教室。

いきなり今日の放課後教室でまっていますはきつかっただろうか。

時計は手紙に書いた時間の1時間が過ぎた時間をさしている。


…帰ろう。

仕方ない。こちらの勝手な都合なのだから。


教室から出ようとした時、廊下からバタバタと足音がした。

「まだいる!?」

びっくりした。

彼が、きた。

私を見つけると安堵の息がもれる。

「よかった、まだいた」

胸が高鳴った。

顔が赤くなるのがわかる。

「あの…さ、この手紙って?」

私が書いた手紙をさしだす。

あぁ、そうか。

「えっと、そうですね…。」

なんのために書いた手紙だっただろうか。

「あなたに近づきたくて。もちろん、好意をもってです」

間違ったことは言ってないはずだ。

彼の方をみると、ぽかんとしている。

なにか違っただろうか。

「初めて見たときからすてきだと思って。話してみたくて、もっと…あなたを知りたくて」

彼の顔が赤くなっていく。
なぜだろう。

「あの…?」

彼がはっと我にかえったように慌てはじめる。

「あ…っと、その、??直球すぎっ!照れるってのっ!!」

怒っている?

「別に怒ってる訳じゃねーかんなっ!ただ、その…照れただけっ」

なるほど。

私なんかの言葉でも照れてくれたのか。

少しうれしい。

「てことはこれって、ラブレター?」

そう言われると、そうかもしれない。

「えっと…たぶん」

彼の顔が真剣になる。

「それなら俺は、答えらんない」

そうだろうな、と思ってた。

「えっと…それじゃあな」
彼がでていき、1人教室に残される。

…私も、帰ろう。




次の日。

いつもの道をいつもの時間に通る。

いつもと変わらない。

1つ除いて。

「柴崎、おはよう」

私の名前。

振り返る。

彼がいた。

「…おはよう」

彼が微笑み、私を抜かしていった。

知ってたんだ。

私の名前。


…昨日の手紙、あれはまぎれもなくラブレターだった。

だってあいさつされただけで、名前を知っていてくれただけで、こんなにも胸があつくなる。

涙が頬をつたう。

あなたは私の、初恋でした。


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