悪魔の天使 (47)

暁 沙那 2011-10-14投稿
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踵は宙に浮き、真っ白な細くしなやかな手はレクスの肩へ。

艶めいた淡いピンクの唇は重なりあった。

会場が一気に静まり返り皆が息を呑んでステージの上を見ている。

リアがそっと唇を離そうとすると、頭をレクスに固定されそれ以上退けなくなる。

「レ…クス……?」
「もうおしまい?」
「…っぁ……。」

吐息がリアの身体を戦慄かせた。

それと同時にレクスの手は段々と肌をなぞりあげる。

くすぐったさに身体を退こうとするが、回している腕がそれを許さない。

離してもらおうと口を開きかけるがすぐに塞がれた。

「ん……。」

口を開きかけていただけに、簡単に繋がりを深くされた。
甘い声が漏れる。

「感じてるの?キスだけで。リア可愛い。」

少し唇を離すとからかうように囁く。

言葉と羞恥、それに息のまともにできない状態に頬が朱に染まる。

それさえもレクスにとっては面白くて。

リアが胸にすがりついてくるまで続けた。

「もう…十分……楽しんだ…でしょ……?」

涙目になり息も荒い。

レクスはそんなリアの身体を軽く支えていた。

リアの髪を一房掬って口づけると、軽く微笑んで下で呆然としている関係者を見た。

「皆さんにお知らせしていなかったことがあります。一年前のことになりますが。」

一つ息を吐き、また吸って口を開いた。

「俺とリアは既に誓いあった仲です。」

レクスがそう言うとざわめきが起こった。

「一体どういう意味なのかお教え願えますか?」

叔母がきつい口調で問うとリアの手が下に下り、レクスの手に重なった。

「そう、そうよ。」

リアは軽く目を見開き呟いた。

「そう。もう私達はあそこの教会で」





止まった刻がたしかに動き出す。





「結婚したのよ。」



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