「君は、戦乱の世を沈めるために大陸に行くって言ったよね?」
ゼガは、カインの言葉を噛み締めるように聞いた。
まさか、お父さんが生きていたなんて…。
奇跡だ…。まだ、信じられない…。
「君なら、救えるかもしれない。」
「…父ちゃん…。」
「紹介したアスター君も、きっと力になってくれると思う。」
カインは、今父ちゃんがいる町の名前を教えてくれた。
海の…向こう。決して、平和とは言えない場所だった。
「生きてはいるけど、闇組織によって強制労働が課せられている……。人間としての生き方はさせてもらってないかもしれないな。」
「えっ…。」
「でも、生きてることは確かだ。」
生きてる…。
「あ…ありがとうございます…。」
ゼガの目には涙。
お父さん…死んでなかった。暗い過去に差し込んだ、一筋の光。