『生きる』ということ。<17>

黒魔法 天使 2011-10-22投稿
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「本当によかったわ!」

看護師さんが涙目で言う。

「…でも治ったわけじゃないから、絶対安静だからね」

「はい…」

「うっ…でも、本当にっ…よかったあぁぁ!」

ついに泣き出してしまった。

「まあまあ小澤さん、落ち着いてください!」

先生が看護師さんの背中を摩りながら宥める。

その光景が面白くて羽琉と聖は思わず笑ってしまった。


その日は特別に病室に泊まることを許可してくれた。


「…羽琉ちゃん、もう寝た?」

「…ううん」

「なんか眠れないね…」

「うん…」


二人は起き上がった。

「あ、星。見えるかな?」
羽琉はカーテンを開ける。

「あーぁ…残念。曇ってて見えないや…」


「あ、でも…」

聖が窓の外を指差す。

「わあぁ…」

窓の外は街の明かりでキラキラ光っていた。

「キレイ…」

羽琉は小さな声で言った。

(昔だったら、こんな事思わなかっただろうな…。
こんな気持ちになれたのは、きっと…)

羽琉は聖をちらっと見る。

すると聖と目が合った。

  -ドキッ-

「わ、私もう寝るね!おやすみっ!!」

「うっ、うん!おやすみ!」




その日、羽琉はドキドキが止まらなくて良く眠れなかった。



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