何も、見えない
何も、聞こえない
何も、感じない
此処は、暗くて、冷たくて、淋しい場所
悲しいのに泣けない
叫びたいのに声が出ない
太陽-アナタ-に駆け寄りたいのに身体が動かない
身体には何本もの氷柱が突き刺さる
刺さる度、激痛が走る
もう、慣れてしまった
哀しみも、痛みも、この場所にも…
もう一度…
許されるなら、戻りたい
あの場所へ……
でも、此処から出ることは出来ない
此処は氷の国
そして、私は
《 氷姫-コオリヒメ-》