ノートに手をかざし、黒板の内容をノートに浮かび上がらせている子。
片山いわく“念写”というものらしい。
当てられても席を立たずチョークを手を使わず自在に操り回答を黒板に書く子。
“浮遊”という能力らしい。
普通の光景ではなかった。テレビや漫画の世界の出来事が実際に起きていた。
「ここがHAPIです。
実際の社会で疎外されそうな思春期の少年少女に普通に教育を与える場所なのです。」
片山は得意気に言った。
「なるほど…では、“S部屋”というところに案内させていただきますか?」
北元が言った。
片山の雰囲気が一気に変わった。
じめっとしたような鬱陶しそうなオーラを出していた。
片山はボソッと「では、着いてきてください。」
と行って。
歩き始めた。