がんばったで賞 159 〜サユについて、考えてみた〜

るー6 2011-11-04投稿
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「アキに何した!」
「さぁ…。」
カズヒロは更に責め続ける。
「どこにいるんだ、アキは。」
「知らない。」
怒りも絶頂に達したカズヒロは、
「ふざけんな!」
と声を荒げた。
「ふざけてるのはそっちよ!」
サユも必死で食らい付く。
「アキばっかりじゃない!いつもアキばっかり!」
「なんだよ!アキばっかりで何が悪いんだよ!」
「私、好きだったのに…あなたの事…。」
「アキをいじめるおまえを、俺がどうやって好きになれると思う?」
サユは黙ってしまった。悔しそうな顔をしている。
「とにかく、俺はアキ探すから。」
カズヒロは、走り去ってしまった。
サユはその場に泣き崩れた。
泣いて、自分の腹黒さを反省した。

その頃アキは、高校付近の河川敷で、一人泣いていた。
空もまるで、アキの心を映し出しているかのような、どんよりした曇り空。


親友だったのに…。
唯一心を通わせ合えたのが、サユだったのに…。
裏切られるごとに、期待という名の枝が、一本ずつ切り倒され、枝を失った友達という木は枯れていく。
耳が聞こえない私を、いつも側で支えてくれた。
カズヒロと出会う前から、ずっと。

…その時、後ろから急に目隠しをされた。

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