‐ホワイトハウス オペレーションルーム‐
「凄いわね…あれがシールティーム?」
「はい国務長官。彼等がシールです。そのシールの中でも、最精鋭部隊デブグルの隊員です」
「武装勢力は結局何人いたの?」
「外に5人、屋内に6人です」
「で、シールは何人で突入したの?」
「二名です」
「たったの?二名?」
「はい、たまたまあの二名が一番速くあの場所へ駆けつけられたものですから」
「それにしても…見事ねえ…国防長官、勲章あげなきゃいけないわよね?彼等に」
「はい…名誉勲章ものです…が」
「何?」
「シールの隊員達は少々変わっていまして、あまり勲章を欲しがらないのです」
「冗談でしょ?兵士にとって勲章はこの上ない名誉でしょ?キャリアにも響くし」
「はい…ただ彼等は執着しないのです、所謂プロ中のプロなのです」
「面白いわね…今日は大統領にも見せたかったわね」
オバマ大統領は外遊の為この日は不在だった。
しかし…
二年後
このオペレーションルームで、
ヒラリークリントン国務長官はデブグル隊員の活躍を今度はオバマ大統領と共に、生中継で再び目の当たりにする事になる。
ウサマビンラディン暗殺の瞬間を。
私達はJJとウィの護衛で安全なところまで移動し、本国アメリカへ向けて機上の人となった。
「でもどうしてあの場所がわかったのかな?」
私はパムに疑問をぶつけた。
「これさ」
パムは右足のズボンの裾をめくるとふくらはぎを指差した。
「何?ふくらはぎ?」
「そう」
パムはいきなりふくらはぎに爪を立てメリメリ皮膚を剥がし始めた。
「何してるのよ!」
「あはは、人工皮膚だよ。ほらこれ」
本物と見分けがつかない人工皮膚の下にシート状の物が張り付けられている。
「追跡装置だよ。GPSで位置を把握できるんだ。襲撃された時、緊急信号を発信したんだ。その信号は本国に伝わるはずだ。その時からこの追跡装置を稼働させたんだ」
「だからあの人達が…」
「そう、で僕は様々な情報をモールス信号の様に送ってたんだ。敵の数、銃の種類、爆弾の有無をね」
「すごい…こんなの映画の中だけかと」
「メイド イン ジャパンだよ。最高だね日本の物はさ」
「パム、タックがパムは兵隊だって言ってたけど、陸軍とか?」
「違うよ。海軍だ」
「海軍?」