(中編からのつづきです)
おじいさんは、上空を過ぎていく外国の戦闘機を見上げながら、こう言いました。
「お嬢ちゃんも知っていると思うが、年明けから○○の統治がはじまる。当然じゃ・・昔からの日本人の国会議員は2割以下しかおらんのじゃから。ここが『日本』と呼べるのは、来月いっぱいまでで、来年からは『○○領日本自治区』とゆう呼び名に変わる。言わば、植民地じゃ・・」
おじいさんの目には、うっすらと涙があふれていました。
わたしの目からも、自然と涙がポロポロこぼれて来ました。
しかしおじいさんは、とつぜん厳しい表情に変わり、わたしに向かってこう言いました。
「泣いてばかりはおられんぞ。年明けから平仮名、カタカナが全面禁止となり、公用語も変わる。今のうちに慣れておかんと、もし話しているのが見つかったら、公開処刑とのもっぱらの噂じゃ。もっとも、お嬢ちゃんたちの通う『日本人学校』では、すでに教科書には日本語など一切載っていないがの」
この日本で、日本人が、日本人学校に通うとゆう事実が、悲しくてたまりませんでした。
なんだか、、涙だけじゃなく、鼻水もこぼれて来ましたww
そして、鼻がむずがゆくなり、
・・くしゅん!!
またしてもクシャミが出て、同時に強い風がびゅうと吹きました。
すごい砂埃が舞い上がり、目を開けた瞬間・・
元の静かな野菜畑が広がっていました。
おじいさんは、もういません。
代わりに、なんだか見たことのあるおじさんが一人、大根畑の真ん中で、せっせと世話をしていました。
そして一度、身体を起こすと、わたしの方を振り返り、
にこっと笑いました。
でもそれは、わたしの気のせいかも(^_^;)微笑んだように見えただけかな?
わたしは再びスーパーへと、自転車を進めました。
着いたスーパーの家電コーナーでは、国会中継があちこち流れていました。
テレビのスピーカーからは、さっき聞いたばかり(いや、目にしたばかりの)、
「てぃーぴーぴー」とゆう言葉が、繰り返し店内に響きわたっていました。
(おわり)
おしまいまで読んでいただき、ありがとうございました☆