すると、同じ部活の奴が、「いいじゃん、入れてあげよう。」
と言いました。
自分も人見知りを隠して、「うん…。」
と力なく言いました。
しばらく、沈黙の給食。明らかに気まずい空気を、野球部のそいつが変えました。
「俺、〇〇。よろしく。」
「よろしく。」
それから、そいつは自分の側にいつもいました。
そうじ当番一緒の所やろう!とか、席替え近くがいいね!とか、
正直、友達って少なくていいと思っていた自分には、少し煙たく感じました。でも、どことなく憎めない…。
職場体験の時には、一緒に市役所で働きました。
田舎なので、派遣された場所は、なぜか土木工事。砂利を敷き詰めて、道を作って欲しいということ。
役所のおじさんからスコップを渡され、黙々と仕事しました。
しばらくすると、休憩時間になり、仕事をいったん終えて、畑のあぜ道を散歩。
すると、野球部の奴が、ゴルフボールを発見しました。
「あっ…。」
畑に埋もれ、土まみれのゴルフボールをそいつは掘り出して、
「キャッチボールしよう」
と言いだしました。
「えっ…」
一人っ子の自分は、親とキャッチボールをした経験があまりなかったので、少し…うれしいというか、そんな気持ちに浸りました。
〜続く〜