「ちょっーとアンリ何よっ!」
「みんな聴いてー!実は今夜のパーティーの本当の目的はここにいるユキのある切な〜い想いを叶える為に私アンリが企画したのです!」
え!?
「JJ!前へどうぞっ!」
何これ?
みんな興味津々に事の成り行きを見守っている。
「あとはよろしくねJJ」
「アンリッ!ア…」
彼は…JJはニコニコして私の目の前に立っている。
「な…何なんですかね‥私…あの…」
「ユキさん。実は今夜どうしてもお話しさせて頂きたいことがあるんです」
「私…にですか?」
「はい」
「…何を?」
「ユキさん、お願いがあるんです」
「お願いですか?」
「単刀直入に言います。もしご迷惑でなかったら、僕にあなたを教えて頂けませんか?あなたは勇気ある素晴らしい女性です。できればそんな貴女を深く知りたいのです。そして、僕の事も知って欲しいのです」
ウッソ…本当に…
どうしょう…ってこれチャンスよね‥当たり前か…
「も、勿論…です…でも…なんのとりえもありませんし…大したことありませんけど…」
「いいえ。貴女はとても魅力ある女性です。素敵な女性です。僕とお付き合いしていただけますか?」
みんなの喝采
指笛
ぽーっとしていた私…
私達はこうしてお互いの人生にリンクし始め、共に同じ空間で暮らしはじめ、お互いをだんだん深く知り始め…彼のプロとしての凄まじい程の努力と精神力と…計り知れない苦悩と悲しみを知り、私はこの人の為に、全人生をかける事を決意し、現在に至っている。
例えこの身を犠牲にしようと、私は彼の為に生きたいと思う。
私は要請通り被災者と被災地の映像を送り、ボランティアに汗を流しアメリカへ戻った。
「見るんだこれを」
マスターは食い入るように映像を見つめている。
「あっ…この人…この人は私にごはんをくれた人…生きていた…良かった…良かった…あの素晴らしい土地はこんなになってしまったのか…ひどい…」
マスターは涙を流しながら呟いている。
「この人達は、暴動をおこしもしなければ略奪もしていないぞ。地震も津波も自然の為す業だ。誰を恨めばいいんだ?恨めやしないだろ?原発は電力会社を恨めるが、日本人達は電力会社の社長や社員を殴りもしなければ殺しもしていない…どう思う?」
「…」
マスターは目を閉じた。