渡辺昌子は1年前に離婚した。6才になる息子博司と母子家庭の生活を慎ましく過ごしていたが、ある日恋人ができた。子供嫌いの恋人のせいで、昌子は日に日に博司の存在が疎ましくなっていった。 そしてある日立てられた殺人計画。 1、薬を飲ませて部屋にガスを充満させる。 2、鈍器で強打する。 3、包丁で刺す。 計画実行。 背後から腹部に突き刺さった包丁。溢れ出る血で 鮮やかに染まりゆく服。悲鳴が上がる。泣き叫ぶ声。 「計画その3、これしか出来そうになかったんだ僕にはね。」血まみれで倒れた母を見下ろしながら、博司は呟いた。