4人は、お決まり、渋谷のセンター街を歩いていた。
すると、前の人が何かの封筒を落とした。
岬はいち早くそれに気づくが、拾って前を見ると、その人は人込みに紛れて、どこかへ行ってしまった。
「そんなの何で拾うんだよ。」
拓也が立ち止まっている岬に駆け寄ってきた。
あとから弘貴、圭吾も駆け寄る。
「何…この封筒…。」
表紙には、
『10億円もらえます』の文字。
「あ…怪しくね?」
圭吾がつぶやく。
「確かに…。」
と弘貴。
「捨てよう、こんなの…。」
圭吾が岬から紙を奪おうとすると、岬は、
「届けてあげよう。」
「ハァ?何言ってんの?」
圭吾は優しすぎる岬に腹を立てた。
「この封筒の裏に、住所がある。」
「本気で言ってんのか?」
圭吾の答えを無視し、岬はその場所へと向かった。
「ここだ…。」
渋谷のセンター街から少し路地に入ったところ。古びた雑居ビル。
『××ビル3F』
と書いてある。
岬たちは、3階へ上がった。
その扉の前に来たとき、ある1人の男が、階段を上がってきた。
岬は、はっとした。
「あの…これ、落としましたよ。僕達、ずっとあなたを探していたんです。」
「あぁ、わざわざありがとうございます。外じゃあれですし、中へお入りください。」
「中に…ですか?」
さすがに岬も敏感に反応した。