100日間のキセキ #01

 2006-09-15投稿
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 「はぁ・・・」
 少女は大きなため息をついた。少女は病院のベットの上に寝転んで、上に上げた両手には、ホワイトボードを持っている。
 「はぁ・・・」
 また、ため息をつく。この少女の名前は遠藤榎音(えんどう かのん)という。
 (ため息ばっかりしてると、幸せが逃げていくよ・・・)
 と、思ったとき榎音は起き上がりながら訂正した。
 「幸せって言っても、私の幸せはもぅ全部逃げてるか・・・」
 榎音は、ホワイトボードをベットについている机の上に乗せた。
 「あと7日・・・か」
 そぅ言いながら、ホワイトボードを見る。そこには黒いペンで・・・

 私が死ぬまで
      あと7日

 と、書いてあった。榎音は生まれつき病弱だったのだ。病気のことで今朝、医師から余命を告げられた。
 「キミの余命は、あと7日なんだ・・・」
 ショックではなかった。むしろ、嬉しいくらいだった。だから、ホワイトボードに、自分が死ぬ日までカウントダウンしているのだ。でも、彼らの前では、そんな余命の話も、そんな複雑な顔も出来ないのだ。

 タタタタタッ・・・

 その複数の足音は、榎音のいる個室の方へ向かってきている。榎音には、誰が来るかが大体わかる。榎音は急いでホワイトボードをベットの横にある引き出しに入れた。
 「榎音!お見舞いに来たよ」
 勢いよく戸を開けて入ってきたのは、榎音の妹の心奈(ここな)。その隣には、長男の楓と次男の啓斗がいる。
 「おぉ。元気かぁ?」
 楓は、右手に持っていた果物が入っているかごを机の上に置く。
 「うん。超元気だよ!」
 榎音は、ニコッと笑って言った。
 「あ。今日ね―――」
 啓斗は話し出した。その姿を笑いながら榎音が見ていた。
 



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